株式会社Simplee様は、法人向け、そして訪日観光客・ビジネスパーソン向けにベビーシッター手配事業を展開するスタートアップです。

事業が伸びる一方で、シッター手配のオペレーションは手作業に依存しており、依頼数の増加に対して現場の負荷が高まり続けていました。

そこで月額の外部開発チーム「テクカリ」は、それらの課題を解決するベビーシッターマッチングシステムを、要件定義から開発、リリース、安定化まで一気通貫で支援。 その結果、これまで平均48時間かかっていたベビーシッター手配は、当日最短5時間まで短縮されました。

本記事では、すでに顧客と需要がある事業に対して、どのようにITを導入し、手運用から再現性のある事業基盤へ移行したのかをご紹介します。

株式会社Simplee様について

株式会社Simplee様は、法人向け、そして訪日観光客・ビジネスパーソン向けにベビーシッター手配事業を展開するスタートアップです。

ベビーシッターを必要とするご家庭や利用者に対して、条件に合うシッターを手配し、安心して子どもを預けられる環境を提供されています。 利用シーンは、法人の福利厚生、出張・イベント時の一時保育、訪日観光客の滞在中サポートなど多岐にわたります。

一方で、ベビーシッター手配は「人」と「信頼」が深く関わる領域です。 依頼内容、日時、エリア、子どもの年齢、シッターの対応可否など、確認すべき情報が多く、単純な予約システムだけでは現場の運用にフィットしません。 事業が成長するほど、現場では手配業務の負荷が高まっていきます。

Simplee様が次のフェーズへ進むためには、人の手で支えてきた運用を、仕組みとして再現できる状態にすることが必要でした。

クライアントの課題:伸びる事業を支えきれない「手運用の限界」

Simplee様が抱えていた課題は、大きく3つありました。

課題1:人に依存した運用体制

シッター手配の多くが、担当者の判断と手作業によって進められていました。 そのため、担当者の稼働状況がそのまま対応スピードや機会損失に影響する状態でした。 事業をさらに伸ばすためには、担当者個人の頑張りに依存しすぎない運用体制が必要でした。

課題2:現場業務をシステム要件に落とし込む難しさ

ベビーシッター手配は、単に予約情報を登録すれば完結する業務ではありません。 利用者ごとの条件、シッター側の対応可否、連絡フロー、運用上の例外対応など、現場ならではの判断が多く含まれます。 そのため、「何をシステム化すべきか」「どこまでを初期開発に含めるべきか」を整理すること自体が重要なテーマでした。

課題3:成長フェーズに向けた事業基盤の整備

Simplee様にとって、システム化は単なる業務効率化ではありませんでした。 法人営業を進めるうえでも、投資家に事業の再現性を説明するうえでも、手運用に依存しない事業基盤を整えることが必要でした。 求められていたのは、言われたものをそのまま作る開発会社ではなく、現場業務を理解し、事業成長に必要なシステムの形を一緒に設計できる開発パートナーでした。

支援内容:現場業務を理解し、1.5ヶ月でシステム運用へ

支援1:現場業務のヒアリングとペインの整理

テクカリの支援は、いきなり開発に入るのではなく、現場業務の理解から始まりました。 どのような依頼が来るのか。 シッターの情報をどう確認しているのか。 手配までにどのような判断が発生しているのか。 現場で行われている業務をヒアリング+実際に業務にも入りながら、どこが負荷になっているのか、どこをシステム化すると効果が大きいのかを整理しました。

支援2:動くプロトタイプを用いた要件定義

要件定義では、動くプロトタイプを活用しました。 複雑な業務ほど、言葉だけで要件を固めるのは難しくなります。 実際の画面を見ながら議論することで、「これは使いやすい」「この流れは現場に合わない」といった判断がしやすくなります。 テクカリでは、AIも活用しながらプロトタイプの作成・改善を高速に回し、短いサイクルで認識合わせを重ねました。 Simplee様からも、「PDCAを何回回せるか、そのスピード感がよかった」という声をいただいています。

支援3:必要な機能に絞ったスコープ設計

スタートアップの開発では、最初からすべてを作り込むことが正解とは限りません。 限られた時間と予算のなかで、まず事業に効く機能を見極めることが重要です。 今回も、現場のペインを整理したうえで、初期リリースに必要な機能と、今後の改善で対応すべき機能を切り分けました。 「今つくるべきもの」と「後から育てるもの」を分けることで、スピードを落とさず、現場で使えるシステムを目指しました。

支援4:約1.5ヶ月での本開発・リリース

本開発にかけた期間は、約1.5ヶ月でした。 開発では、スピードと品質のバランスを取りながら進行。 プロトタイプ段階ではSimplee様の主要メンバー、その後は運用チームも巻き込みながら検証を行いました。 重要なのは、構想を長く温め続けることではなく、現場で使われる状態まで持っていくこと。 今回も、事業成長に必要な機能に絞り、リリースまで進めました。

支援5:IT・技術領域における意思決定サポート

システム開発では、経営判断が必要な場面が何度もあります。 どの機能を優先するのか。 どこまで作り込むのか。 今の予算で何を実現するのか。 テクカリでは、専門用語に頼らず、判断に必要な論点を整理してお伝えすることを大切にしています。 技術的な選択肢と判断材料をわかりやすく整理することで、Simplee様が納得して意思決定できる状態を支援しました。

成果:手運用から、再現性のある事業基盤へ

今回の支援を通じて、Simplee様の事業運営には大きく4つの変化が生まれました。

成果1:ベビーシッター手配のリードタイムを、平均48時間から最短5時間へ短縮

これまで平均48時間ほどかかっていたベビーシッター手配が、当日最短5時間で対応できるようになりました。 依頼から手配までのスピードが上がったことで、利用者への対応力が向上。 スピードマッチングが可能になり、サービスとしての価値も高まりました

成果2:属人的な手運用から、システムで支える運用へ移行

これまで人の手で個別対応していた業務が、システム上で管理できるようになりました。 シッターの状況や対応ステータスが可視化され、運用の透明性が向上。 担当者個人の経験や記憶に依存しすぎない体制へと近づきました。

成果3:マッチング担当者の採用定着率が100%に

業務がシステムに乗ったことで、マッチング担当者が働きやすい環境づくりにもつながりました。 これまでは、業務負荷が高く、ノウハウが個人に偏りやすい構造がありました。 **システム化により、業務の見通しが立てやすくなり、マッチング担当者の採用定着率は100%**となっています。

成果4:法人営業・投資家への説明力が向上

管理画面が整備されたことで、法人営業の場でも、サービスの運用体制を具体的に説明しやすくなりました。 また、投資家に対しても、手運用に依存した事業ではなく、仕組みとして拡張できる事業であることを伝えやすくなっています。 システム経由での予約も定着し始めており、今後さらに比率を高めていく余地も見えています。

💬 クライアントの声

株式会社Simplee様より、今回の支援に関するコメントをいただきました。

株式会社Simplee様とのオンラインミーティングの様子
オンラインミーティングの様子
クライアントの声

要件定義から開発まで現場に深く入り込んでいただきながら、私たちがうまく言葉にできていなかった課題まで一緒に汲み取って形にしてくれました。

新規開発では「何をどこまで作るか」が定まらないまま期間が延びてしまいがちですが、テクカリさんは本当に必要な範囲を早い段階で見極めてくれたため、想像をはるかに超えるスピードで、短期間で確実にプロダクトを世に出すことができました。

リリース後も丁寧に保守の伴走いただけたため、安心して運用に踏み出せています。

ITに明るくない業態の私たちにも、判断に必要なことをわかりやすく整理して示してくださるので、技術的な意思決定にも迷いがありません。

手作業に頼ってきた業務を仕組みで支え、システムで事業を一段伸ばしたいと考える企業にとって、現場ごと並走してくれる、これ以上なく心強いパートナーだと感じています。

おわりに

成長する事業ほど、現場の手運用はどこかで限界を迎えます。 顧客がいる。需要もある。だからこそ次に必要になるのは、その事業を安定して伸ばすための仕組みです。

今回の支援では、Simplee様の現場業務を理解し、要件定義から開発、リリース、安定化までを一気通貫で伴走しました。

テクカリは、月額の外部開発チームとして、単にシステムを開発するだけでなく、事業成長に必要なIT導入とプロダクトづくりを支援しています。 弊社は今後も、Simplee様のプロダクト成長と、その先の資金調達ラウンドに向けた歩みを支援してまいります。

月額の外部開発チーム「テクカリ」とは

戦略立案からデザイン・開発・運用まで、プロダクト開発で生じるさまざまな課題をチームで一気通貫に支援する、月額制の開発チームサービスです。

社内に開発組織があるような感覚で、事業のフェーズや変化に合わせて柔軟に開発を進められます。

まずはお問い合わせページより、お気軽にご相談ください。